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D.D.S. とD.M.D.の違い Difference between D.D.S. and D.M.D.

アメリカは歯学部を卒業すると、「歯科医師」となります。仮に、ライセンスの試験に合格しなくても「歯科医師」であることを名乗れます(このトピックについてはまたいつか説明します)。「歯科医師」になると、D.D.S. または D.M.D.の学位がもらえます。では、その2つの違いは何でしょうか。今日はその説明をしたいと思います。

D.D.S. は Doctor of Dental Surgery の略です。

D.M.D. は Dentariae Medicinae Doctor (ラテン語) の略です。英語で言うと、Doctor of Dental Medicineです。ということは、D.M.D. はこのラテン語から由来するようです。

歯学部がアメリカにできたとき、D.D.S. という学位が一般的に与えられました。一説によると、Harvard大学に歯学部ができ(約150年前)、学位を与えるときにこの D.M.D. という学位が生まれたそうです。

Harvard大学の卒業証書はすべてラテン語が使われています。その際、D.D.S. という略語は使えなかったので、それに一番近い D.M.D. =Dentariae Medicinae Doctor (Doctor of Dental Medicine)を採用し、現在に至るようです。

アメリカには歯学部が58校ありますが、うち、36校はD.D.S.、22校は D.M.D. を使っています。基本的に東海岸にある歯学部はD.M.D.を使っていて、それ以外はD.D.S.を使っていると考えていいと思います。

ただ、新設校で、西海岸寄りにある University of Nevada Las Vegas School of Dental Medicineは D.M.D. を与えるので、一概にどこに歯学部があるかによって、学位が決まるとは言い切れなくなりました。

いずれにせよ、D.D.S.  でも D.M.D. でも、歯科医師になったことには変わりません。イギリスやオーストラリアは B.D.S.  (Bachelor of Dental Surgery)という学位を与えますので、国や場所によって名前が違うだけのようです。