Category Archives: 受付における患者さんとのやりとり Patient communication at the front desk

Dental office とdental clinicとの違い Difference between dental office and dental clinic

日本では「〜〜デンタルクリニック」と、歯科医院と言えば「クリニック」と言う言葉を使います。しかし、アメリカでは

“~~ Dental Office”   とか、  “Dr. ~~~’s (Dental) Office”  と言ったりします。

それではデンタルオフィスとデンタルクリニックの違いは何でしょうか。どのように使い分けるのでしょうか。

デンタルクリニックとは、多くの患者さんを診察・治療し、とにかく「量」を診ると言ったタイプの歯科医院のことです。日本で言うと、いわゆる国保や社保を使って治療するタイプの歯科医院のことを言います。

かたや、デンタルオフィスは患者さんをゆっくり時間をかけて、診察・治療をするタイプの歯科医院のことです。日本では自費の治療のように、余裕・ゆとりをもって患者さんを診ると言ったタイプの歯科医院のことです。

ただ、デンタルクリニックのような形式をとっている歯科医院でも、”~~ Dental Office” というような言い方をする歯科医院もアメリカにはあります。

日本では何故「クリニック」という言葉が浸透したかはわかりません。おそらく、オフィスというと、どうしても、事務所という感覚になるからでしょうか。でも医院も、”medical office” と言った言い方をします。

 

薬の説明をする Explaining medication to patients

歯科治療をする中で、薬を処方したり、市販薬を勧めたりする必要があります。薬の飲み方の説明をしなくてはいけないことが多いです。まずは、薬の種類からです。

抗生物質:  antibiotics

痛み止め:  pain medication, pain killer

軟膏:  ointment

Doctor:   “Please take antibiotics 3 times a day after each meal for 7 days. Make sure you finish the bottle. Please don’t stop taking it.”

ドクター: 「抗生物質を1日3回、食後に飲んで下さい。7日分あります。お薬を全部飲んで下さい。ご自分の考えでお薬を飲まなかったりしないで下さい。」

Doctor:   “Also, don’t take it between meals. Drink a lot of water when you take your antibiotics.”

ドクター: 「食間に飲まないで下さい。食後です。抗生物質を飲むときは、お水を十分飲んで下さい。」

アメリカでは通常、 痛み止めは市販薬で十分という考えです。アメリカでは抗炎症剤 (NSAIDs) である イブプロフェン ibuprofen  や ナプロキセンナトリウムnaproxen sodium をお勧めしています。Acetaminophen アセトアミノフェンは妊娠中の人やイブプロフェンにアレルギーがある人に勧めています。

ドクター: 「痛み止めは市販の痛み止めで結構です。イブプロフェンをお勧めします。1回2錠から3錠を食後にとって下さい。抗生物質と一緒に飲んでも結構です。」

Doctor:  “You can take over-the-counter pain medication. I would recommend ibuprofen. Please take 2 or 3 tablets after meal. You can take it with your antibiotics.”

以前のブログでも書きましたが、市販薬は

“over-the-counter medication” と言います。

軟膏はointment です。口内炎用の ケナログ Kenalog™ や口唇ヘルペス用の アシクロビルacyclovir などの軟膏を処方するときはこんな言い方をします。

Doctor:   “I will prescribe you an ointment for your canker sore/herpetic lesion. Brush your teeth first and then place the ointment. You may not want to use toothpaste when brushing since it may sting.”

ドクター: 「口内炎または口唇ヘルペスの軟膏を処方します。まず歯ブラシをしてから、軟膏を塗って下さい。歯磨き粉がしみたり、刺激が強かったら、歯磨き粉なしで歯ブラシをして下さい。」

口内炎の一般用語は “canker sore” です。

「〜〜を処方します」とか「処方箋を出します」は、

“I will prescribe you ~~.”  とか “I will write you a prescription for ~~.” とも言います。

「調子が悪いです。」”I’m not feeling well.”

ご無沙汰してしまってすみません。インフルエンザにかかってしまい、調子が悪かったので、ブログをしばらくお休みしていました。皆さんもお気をつけ下さい。

そこで、「調子が悪いです。」とか「具合が悪いです。」と患者さんがおっしゃる場合、どのような表現になるのでしょうか。例えば、「具合がよくないので、予約をキャンセルしたいのですが。」とは何と言えばいいのでしょうか。

Patient: “I’m not feeling well today, so I’d like to cancel my appointment.”

「インフルエンザにかかってしまったみたいなので、予約を変更したいのですが。」と言いたい場合、

Patient: “I think I got the flu. I would like to reschedule my appointment.”

インフルエンザはもちろんinfluenza ですが、口語では簡単に flu と言います。

2つ目の例として、ドクターが患者さんに ”How are you?” と聞いたとき、患者さんが「最近、身体の調子がよくないんです。」と答える場合、

Doctor: “How are you?”  とか、 “How are you doing?”

Patient: “I’m not feeling well lately.”  とか “Not too good.”

と言ったりします。その話の続きとして、「どうされたのですか。」と話を続けたい場合、

Doctor: “What happened?” とか、 “What’s going on?”

と言ったりします。もしももっと丁寧に、「どうされたか伺ってもいいですか。」みたいな言い方をされたい場合、

Doctor: “Do you mind if I ask what happened?”

とか、シンプルに言いたい場合

Doctor: “May I ask you what happened?”

と言ったりします。

歯の関連で、「咬めないので、調子が悪いです。」とか、「うまく飲み込めないので、調子が悪いです。」は英語で、

“I can’t chew well, so it’s uncomfortable.”

“It’s hard for me to swallow, so it’s uncomfortable.”

と言ったりします。

Make an appointment, cancel an appointment 予約をとる、キャンセルする

初診の患者さんでも、治療が続く患者さんでもアポイントの予約をとる必要があります。その場合、色々な言い方がありますが、一例をご紹介します:

Patient:  “I’d like to make an appointment.”

Receptionist:  “Which day of the week do you prefer?  What time would you like to come?”

患者さん: 「予約をとりたいのですが。」

受付: 「ご希望の曜日そしてお時間はありますか。」

また、このような言い方をされる患者さんもいらっしゃいます:

Patient:  “I have to come back for another appointment.  Which days are available?”

Receptionist:  “We are open from Mondays to Saturdays from 8:00 a.m. to 5:00 p.m. except Wednesdays.  We are closed from noon to 2:00 p.m. for lunch.  The earliest date I have is Thursday March 19 at 10:00 a.m.  Is this okay?”

患者さん: 「次のアポイントが必要だと言われました。いつが空いていますか。」

受付: 「診察日は月曜日から土曜日ですが、休診日は水曜日です。診察時間は午前8:00から午後5:00まで、お昼休みは12:00から午後2:00までです。一番早くて、3月19日の木曜日の午前10:00ですが、いかがでしょうか。」

という感じです。

繰り返しますが、言い方は様々あります。上記が典型例です。

患者さんに「キャンセルは24時間前までにお願いします。」と言いたい場合、

Receptionist:  “If you need to cancel your appointment, please let us know at least 24 hours before your appointment.  Our office is by appointment only, and it will allow us to schedule other patients for that time.”

受付:「キャンセルをされる場合、できるだけ24時間前にお知らせ下さい。私共のオフィスは予約制ですので、もしキャンセルされた場合、他の患者さんに来て頂ける場合がありますので、よろしくお願いします。」

では、患者さんがキャンセルしたいと連絡があった場合、どんな会話になるのでしょうか。

Patient:  “Sorry, I have to cancel my appointment.  I would like to reschedule to another date.”

Receptionist:  “Okay.  We can help you with that.  When is a good day for you?”

患者さん:「申し訳ありませんが、〜〜のアポイントをキャンセルし、また違う日に来たいのですが。」

受付:「かしこまりました。それではご都合のいい日はいつ頃でしょうか。」

痛みの表現 Types of pain

Doctor:  “What kind of pain do you have?”

ドクター: 「どのような痛みがありますか。」

と、ドクターが聞く場合、

ズキズキする痛み、冷たいものや熱いものにしみる、歯を磨くときにしみる等、数多くの痛みの表現がありますが、今回はいくつかご紹介します。

1.  ズキズキする: throb とか throbbing pain

E.g.   Patient:  “My tooth throbs.”  「歯がズキズキします。」

〜〜にしみる:  sensitive to ~~

2.  冷たいものにしみる: sensitive to cold (air, drinks, food等を付け加えてもいいです)

熱いものにしみる: sensitive to hot (drinks, food等を付け加えてもいいです)

E.g.   Patient:  “My tooth is sensitive to cold air.”  「冷たい空気にしみます。」

Doctor:  “Your tooth is/teeth are hypersensitive to cold.” 「冷たいものに対しての知覚過敏症ですね。」

3.  歯ブラシすると飛び上がる様な痛み: sharp pain/shooting pain when I brush my teeth

E.g.   Patient:  “When my toothbrush touches the neck of the teeth, I have this sharp pain.”

「歯ブラシが歯の根元に当たると、飛び上がるような痛みがあります。」

4.  咬むと痛い: pain when biting down とか pain when chewing

E.g.  Patient:  “When I chew on the left side, I have pain.” 「左側で咬むと、痛みがあります。」

5.  鈍痛: dull pain

E.g.   Patient:  “My gums have this dull pain.”  「歯ぐきが重たい感じ(鈍い痛み)があります。」

6.  不快感、違和感: discomfort

E.g.  Patient:  “I had so much discomfort after my root canal.” 「神経を抜いたあと、不快感がありました。」

7.  「痛みがあって、眠れなかった」: “I had so much pain I couldn’t sleep.”

8.  「痛みがあって、寝ている間、起きてしまって」: “I had so much pain I woke up in the middle of the night.”

またの機会に、パート2という形ででいくつかご紹介したいと思います。

総義歯・部分床義歯が痛い “Denture/partial pain” “Sore spots with denture/partial”

患者さんの入れ歯が合わなくて痛いときや入れ歯がはずれやすい場合、英語で何と言うのでしょうか。

入れ歯、特に総義歯は “denture” と一般的に言いますが、部分床義歯の場合、”partial” と言います。

Patient:  “I have pain when I wear my denture/partial.”

患者さん: 「入れ歯をつけていると、痛いです。」

入れ歯を使うとか、入れ歯を入れると英語で言う場合、

“wear denture” と言います。

入れ歯をさも、装着する、着るみたいな表現をします。

Patient:  “My denture rubs on my gums, and it hurts.”

患者さん: 「入れ歯が粘膜・歯ぐきにあたって痛いです。」

こすられるという意味で “rub” という動詞を使います。

ドクターはそれに対して、「入れ歯がすれている箇所があるので、調整します。」と答える場合、

Doctor:  “You have sore spots on your gums.  Let me adjust it (denture/partial) for you.”

“Sore spots” は、すれた箇所とか褥瘡性潰瘍ができてしまったところのことです。

患者さんが “sore spots” と使う場合もあります。

さて、患者さんが 「入れ歯がゆるくて、落ちてきます(はずれやすいです)。」と言った場合、このような表現をします。

Patient:  “My denture is loose.”

とか、部分床義歯の場合,

Patient:  “My partial is loose.”  と言います。

ドクターの答え方の一例として、こんな言い方ができます:

Doctor:  “Your denture is fitting poorly.  Over time, your gum and bone shrink so your denture/partial gets loose.  I am going to put a reline material to fit the denture to the contours of your gums.  You may need to make a new denture soon.”

ドクター: 「入れ歯があっていませんね。時間が経つと、歯ぐきや骨がやせていくので、入れ歯は合わなくなります。今回はリライン材(裏装材)という材料を入れて入れ歯と歯ぐきの間を埋めますが、そろそろ新しい入れ歯を作った方がいいですね。」

注意: もちろん色々な言い方がありますが、これは一例にすぎません。

ちなみに、市販の入れ歯安定剤は “denture adhesive” と言います。 絆創膏をBand-Aid™ と言うみたいに(商品名が定着しているように)、入れ歯安定剤はPoligrip™ ポリグリップと言った方が通じるかもしれません。

「歯が生えてきました。」 “My tooth came in.” 「〜がとれました。」 ”~~ fell out.”

「子供の乳歯が抜けて、永久歯が生えてきました。」 や「親知らずが生えてきました。」

とか、

「つめものがとれました。」

と英語を話す患者さんが来院されたら、どのように表現されると思いますか?

Patient:  “My son/daughter’s baby tooth fell out.  His/her adult/permanent tooth/teeth came in.”

と言います。

乳歯は英語で一般的に、”baby tooth” と言います。日本の歯学部で、確か “milk tooth/teeth” と習った記憶がありますが、実際は赤ちゃんの頃に生えるという意味で “baby tooth” と言います。

永久歯は “adult tooth” そして、専門用でも “permanent tooth” と言います。ですが、”permanent tooth/teeth”  と言ってくる患者さんもいらっしゃいます。

「抜ける」 は “fall out” 、過去形で “fell out” です。

「歯が生える」は “come in”、過去形で “came in” です。

日本では歯が生えるというと、「歯が出てくる」という感覚なので、”come out” と考えがちですが、”come out” は英語的には 「はずれる」とか、「とれる」という解釈になります。

英語の感覚では、おそらく、歯がお口全体の一部として現れるという意味で、

“tooth came IN” と言って “in” を使います。

それでは 「親知らずが生えてきました。」は何と言うかわかりますよね?

Patient:  “My wisdom tooth came in.”

親知らずは 専門用語では、”3rd molar” と言いますが、日本語の「智歯」をそのまま直訳すれば “wisdom tooth” ということが何となくわかります。

もう1つ例を差し上げます。

「銀歯(つめもの)がとれました。」はいかがでしょうか。

Patient:  “My silver filling(もしくはただのfilling)  fell out.”

と言います。

患者さんの情報と問診票の記入 Filling out patient information & health questionnaire

3回目のブログのuploadです。私が何故このブログを立ち上げたのかということにご興味のある方はもしよかったら、 “why I started this blog” というメニューへ行って下さい。

さて、今日は初診でも再診でも患者さんがご自分の情報を書く用紙と、問診票の記入をお願いするときに受付のスタッフが何と言えばいいのかというお話です。

Receptionist :

Would you please fill out the Patient (or General) Information and Health Questionnaire forms?  There are 〜 pages.  Please have a seat and let me know when you are done.  If you have any questions, please ask me any time.

受付のスタッフ:

「患者さん情報と問診票を記入して頂けますか。用紙は 〜枚あります。どうぞおかけになって、終わりましたら、声をおかけ下さい。わからないことがあったら、お気軽にお尋ね下さい。」

アメリカでは通常、患者さん(個人)情報を記入する用紙と問診票は2枚別々になっています。

個人情報は、  Patient Information or General Information form

問診票は、  Health Questionnaire form

と言います。「わからないことがあったらいつでもお尋ね下さい」は上記の聞き方以外に ”Do you have any questions?” と説明などが終わったあと、付け加えたりします。ドクターでもスタッフでも患者さんにわからないまま、不安のままでお帰りにならないようにする心掛けだと思います。