Category Archives: 治療や診察での患者さんとのやりとり Patient communication in the dental chair

歯がかける、破折する  “Tooth chipped” or “tooth broke off”

咬頭 cuspの一部がかけたり、前歯の切縁 incisal edgeがかけたりした場合、患者さんは、

Patient:  “I think my tooth chipped.  It feels rough.”

患者さん: 「歯がかけたみたいです。ざらざらします。」

と言ったりします。

また、頬側または舌側全体が歯頚部あたりまで破折したり、かなりの歯質を trauma 外傷で失った場合、ドクターは、

Doctor:  “Part of your tooth broke off/fractured.”

と言ったり、

もしも歯頚部あたりからかけた場合、

Doctor:  “Part of your tooth broke off/fractured at the gum line.”

と言います。

“Break off” は 少しかけた感じではなく、ボコッととれた時に使う表現です。

“Fracture” は専門的によく使う「破折」です。名詞でも動詞でも使います。

“Gum line” は 歯肉と歯頚部の境目部分を言います。ブラッシンング指導をするときに、

Doctor or hygienst:  “Place your toothbrush at the gum line.”

ドクター又は歯科医師: 「歯と歯ぐきの境目に歯ブラシをのせて下さい。」

と言います。

英語でのブラッシング指導はまたの機会にアップupload します。

「歯が生えてきました。」 “My tooth came in.” 「〜がとれました。」 ”~~ fell out.”

「子供の乳歯が抜けて、永久歯が生えてきました。」 や「親知らずが生えてきました。」

とか、

「つめものがとれました。」

と英語を話す患者さんが来院されたら、どのように表現されると思いますか?

Patient:  “My son/daughter’s baby tooth fell out.  His/her adult/permanent tooth/teeth came in.”

と言います。

乳歯は英語で一般的に、”baby tooth” と言います。日本の歯学部で、確か “milk tooth/teeth” と習った記憶がありますが、実際は赤ちゃんの頃に生えるという意味で “baby tooth” と言います。

永久歯は “adult tooth” そして、専門用でも “permanent tooth” と言います。ですが、”permanent tooth/teeth”  と言ってくる患者さんもいらっしゃいます。

「抜ける」 は “fall out” 、過去形で “fell out” です。

「歯が生える」は “come in”、過去形で “came in” です。

日本では歯が生えるというと、「歯が出てくる」という感覚なので、”come out” と考えがちですが、”come out” は英語的には 「はずれる」とか、「とれる」という解釈になります。

英語の感覚では、おそらく、歯がお口全体の一部として現れるという意味で、

“tooth came IN” と言って “in” を使います。

それでは 「親知らずが生えてきました。」は何と言うかわかりますよね?

Patient:  “My wisdom tooth came in.”

親知らずは 専門用語では、”3rd molar” と言いますが、日本語の「智歯」をそのまま直訳すれば “wisdom tooth” ということが何となくわかります。

もう1つ例を差し上げます。

「銀歯(つめもの)がとれました。」はいかがでしょうか。

Patient:  “My silver filling(もしくはただのfilling)  fell out.”

と言います。

歯科で使う英語の略語(2) Abbreviations used in dentistry part 2

カルテに記載するものとして、

BP:  Blood pressure   血圧

HTN:  Hypertension  高血圧

NKDA:  No known drug allergy  薬剤アレルギーなし

OTC:  Over-the-counter (medication)   市販薬

WNL:  Within normal limits  正常範囲内

Pt:  Patient 患者さん

Px:  Prognosis 予後

歯科治療や治療計画の際、使われるものとして、

UL:  Upper left  左上

UR:  Upper right  右上

LL:   Lower left  左下

LR:  Lower right  右下

SRP:  Scaling/root planing  スケーリング・ルートプレーニング

Quad:  Quadrant    1/4顎

E.g.   LR quad SRP  = 右下(1/4顎)スケーリング・ルートプレーニング

RCT:  Root canal therapy   根管治療、エンド

解剖学的用語としては、

PDL:  Periodontal ligament  歯根膜 (P, D, L と読みます)

PSA:  Posterior superior alveolar nerve 後上歯槽枝

E.g.  PSA nerve block は 後上歯槽枝ブロック麻酔 のことです

「お口の中をチェックします。」”Let me do an overall check-up.”

患者さんにご挨拶し、「今日はどうされましたか?」と聞き、「それでは、いすを倒します。」までは今までのブログでご紹介しました。

そこから「お口の中をチェックします。」と言いたい場合、何と言えばいいのでしょうか。一連の流れをおさらいも兼ねて、見ていきましょう。

Doctor:  “Hello I’m Dr. ______________.”  (shake hands with patient)   “What brings you here today?”    OR       “How can I help you today?”

Patient:  ~~~~~ と症状を説明

Doctor:  “Let me put your seat back.  Let me do an overall check-up.  Open, please.”

という感じです。

ドクターが「お口をあけて下さい。」という時は、 命令形の “open” という言い方になりますが、感情表現をやさしくすれば、命令口調にはなりません。

「お口全体をチェックします。」という言い方は

“Let me do an overall check-up.”  になります。

もしも、 1本ないし2、3本の歯をチェックしたい場合は、

“Let me check your tooth that is bothering you.”

「痛みがある歯をチェックさせて下さい。」という訳になります。

とか、簡単に、

“Let me check your tooth.”

でいいと思います。

「ゆすいで下さい。」”Would you like to rinse?”

患者さんがお口をゆすぐチェアに付いている洗面台みたいなものを

“cuspidor” (発音はカスピドール) 又は

“spittoon bowl”  (発音はスピトゥーン・ボール)

と言います。

最近、アメリカでは不衛生だという理由で、この洗面台みたいなものが付いていないチェアが多いです。

その代わり、 funnel と言って、バキュームに直接、漏斗上の容器みたいなものを付けて、それを患者さんに持ってもらい、患者さんがペッとつばやお水を吐くときに直接バキュームがすべてを吸うようなものを使います。

Screen shot 2014-03-07 at 10.12.07 PM

さて、 患者さんに 「お口をおゆすぎになりますか。」 や「ゆすいでください。」は、

“Would you like to rinse (your mouth)?”

と言います。すでに歯科医院にいるので、口をゆすぐということが当たり前なので、

“Would you like to rinse?” だけでいいと思いますが、

“Would you like to rinse your mouth?” でもいいです。

歯垢と歯石の付着 Plaque and tartar build-up

メインテナンスで患者さんに「歯垢が付いています」とか「歯石がかなり付いています」と言いたい場合、何と言うのでしょうか。

まず、歯垢 と 歯石 は 患者さんがわかる英語で何と言うかわかりますか。

歯垢 は ご存知の通り、 “plaque” (プラーク) と言います。

歯石 は 専門用語では “calculus” ですが、 一般的な言い方は

“tartar” と言います 。発音が知りたい方はこちらをクリックして下さい:  Tartar

Doctor or hygienist:  “You have plaque/tartar build-up.  You need a cleaning.”

ドクター又は歯科衛生士:「かなりの歯垢または歯石がついていますね。歯のおそうじが必要です。」

“Build-up” というのは、支台築造のことも言います。しかし、デンタル用語に限らず、何かが蓄積して行くことを ”build-up” という名詞を使います。

もしもスケーリング・ルートプレーニングが必要な場合、

Doctor or hygienist:  “You have tartar build-up under your gums.  You need deep cleaning.”

ドクター又は歯科衛生士:

「歯石が歯茎の中の根の表面にたくさん付いています。歯石を取り除くディープクリーニング (スケーリング・ルートプレーニング) が必要です。」

さて、 scaling/root planing  は、略して ”SRP”  とドクターや歯科衛生士さんの間で言ったり(発音もそのまま S、R、P)、カルテにもそのように書いたりします。

患者さんに説明するときは、 “deep cleaning”  という言い方をします。

Adjust occlusion 咬合調整をする

日本の知り合いの先生から以前、質問を受けたことがあります。

「咬合調整をするとき、“咬んで下さい”と外国人の患者さんに言うと、どんな人でもカチッと1回しか咬まないのですが、そういう時は何と言えばいいのですか。」

どうやら、その先生はその外国人の患者さんに、

“Bite” の一言しか、言っていなかったようです。

“Bite” だけでは1回ガチッと咬むだけで、咬合紙を離さない状態になってしまいます。

ドクター: 「カチカチ咬んで下さい。」は、

Doctor:  “Tap, tap, tap.”

と言います。 タップダンスの「タップ」という発音です。

どうしても “bite” という言葉を使いたければ、

Doctor:  “Bite several times.”

でいいと思います。

でも、それだけでは中心咬合位で咬むことになるので、側方運動をしてほしいときは、

Doctor:  “Bite side to side.”

または

Doctor:  “Grind your teeth.”  (「歯ぎしりして下さい。」)

と言います。

また、動作を連想させたい場合、例えば、「ガムを噛むみたいにこの紙を咬んで下さい。」みたいなことを言いたければ、

Doctor:  “Chew this paper like you are chewing a gum.”

と言います。

ドクターが「咬み合わせは高いですか。」 と聞きたいときは、

Doctor:  “Is your bite high?”

でいいと思います。

たまに、「咬み合わせは高い」ってどういう意味ですかと患者さんに聞かれます。

Patient:  “What do you mean by my bite is high?”

Doctor:  “Does the tooth we worked on touch first or harder than other teeth?”

患者さん: 「咬み合わせは高い」ってどういう意味ですか。

ドクター: 「治療した歯が先にあたるとか、他の歯と比べた当たり方が強いということです。」

「つめものが必要です。」 “You need a filling.”

前歯の隣接面にカリエスができた場合、患者さんに

「虫歯が歯と歯の間にあります。白いつめものが必要です。」と言いたい場合、何と言えばいいのでしょうか。

Doctor:  “You have a cavity/decay between your front teeth.  You need a white filling.”

でいいと思います。

虫歯は一般的に、”cavity”  とか “decay” と言います。ゴルフをする方はわかると思いますが、アイアンの裏が空洞化しているのをキャビティーアイアンと言いますよね?

Caries カリエスは、専門用語です。患者さんには使いません。

つめものは一般的に  ”filling”  と言います。もちろんfilling には色々な種類がありますから、そこで、ドクターはその説明をしなくてはなりません。

コンポジットレジン充塡の場合、日本ではCRと言いますが、アメリカでは言いません。歯科医療従事者同士のコミュニケーションでは、

“Composite” と言います(composite resinの ”resin” は省略します)。

でも、患者さんに説明するときは、

“White filling” と言うわかりやすい言い方をします。

アメリカでもだいぶ amalgam を使わなくなりましたが、する場合、

“Silver filling” と言います。

日本の国保で使う金パラ合金の inlay や onlay も一般的に “silver filling” とくくってしまいます。でももう少し説明を加えます。

Doctor:  “You have a cavity/decay on the chewing surface and in between the teeth.  You need a silver filling.  It’s called an inlay.  After I clean out the cavity/decay, I will make a mold and send it to the lab.  Please come back next week to get your silver filling.  You will have a temporary filling during that time.”

ドクター: 「虫歯が噛む表面と歯と歯の間にあります。インレーという銀歯が必要です。虫歯を除去してから、型をとって、技工所に送ります。来週また来て下さい。そのときに、銀歯をつけます。その間、仮の詰め物が入ります。」

(注意: これは表現の1例にすぎません。色々な表現方法があります。)

アメリカでは、inlayをするよりむしろ、composite resin をすることが多いです。Onlay をする場合は、むしろ crown にしてしまう場合が多いです。

麻酔をする Making the patient numb

タイトルでもお気付きかもしれませんが、「麻酔をする」という表現は、

専門的には、 give/administer anesthetics

患者さんにわかりやすい表現として、 make you (patient) numb

と言います。

Numb とは、麻痺させるという意味です。

発音としては、”b” は発音しません。親指を表す thumb を思い出して下さい。

E.g.  Doctor:  “I am going to make you numb now.”

ドクター: 「それでは麻酔をします。」

アメリカでは必ず表面麻酔のジェル (topical anesthetics,  略して topical )を塗布してから浸麻もしくは伝麻をするので、順序的にはこちらを先に言います。

E.g.  Doctor:  “I am going to put some topical first to make it a little more comfortable for you.”

ドクター: 「もう少し楽になりますから、先に表面麻酔を塗ります。」

このとき、euphemism と言って、患者さんに針だとか注射というイメージを与えないように、できるだけ優しく、オブラートに包んだ表現をします。

さて、浸潤麻酔は、 正式にlocal anesthetics と言いますが、ドクター同士のコミュニケーションでは、 “local” で十分です。

伝達麻酔は block anesthetics です。例えば、下顎孔伝達麻酔は mandibular block ですし、後上歯槽糸ブロックは略してPSA blockと言います。

Doctor to doctor:  “I gave a local/mandibular block/PSA block to Mr. ~~ .”

ドクター同士の会話: 「〜〜さんに浸麻(XXXXブロック)をしました。」

麻酔の種類とその言い方にはまだ他にありますので、またの機会にご紹介します。

アメリカでは、患者さんがデンタルの麻酔のことを “novocaine” と表現したりします。Novocaine は商品名で、昔はアメリカで使われていましたが、今は使われていません。なのに、患者さんは若い方でも “novocaine” と言ったりします。薬品名で言うと、プロカインprocaineのことです。

これは言ってみれば、絆創膏のことをBand-Aid™ という商品名が普通に使われたり、日本での例として瞬間接着剤のことを「アロンアルファ」と皆、呼んでしまうのと一緒です。ですから患者さんにこう言われたりもします。

Patient:  “Are you going to give me some novocaine?”

患者さん: 「先生、麻酔をするのですか。」

とか、

Patient:  “Wow, I am really numb.  When will this novocaine wear off?”

患者さん: 「まだすごく麻酔が効いています。いつ麻酔は切れますか。」

歯科で使われる英語の略語(1) Abbreviations used in dentistry part 1

メディカルでもそうですが、歯科でも、医療従事者同士で話すときやカルテに記載するときに、略後 (abbreviations) をよく使います。たくさんあるので、器具の名前と同様、少しずつお教えしたいと思います。

*まずは、カルテによく記載するものとして、

CC (Chief complaint):    主訴

PMH (Past medical history):   病歴

RMH (Review medical history):  病歴・既往歴のチェック

PE (Periodic exam):  定期診査

Dx (Diagnosis):  診断

Sx (Surgery):   外科治療 又はメディカルでは “signs & symptoms” (兆候と症状)とも言います

Tx (Treatment):  治療

PO (Post-op) check:  術後経過

NV (Next visit):  次回の治療予定

上記は会話中は略語を使いませんので、会話では chief complaint や past medical history 等と普通に言います。PO checkのみ、会話中「ピーオーチェック」と発音します。

**歯科治療や治療計画中に使われるものとして、

RPD (Removable partial denture):  可撤式部分床義歯 (パーシャル)

VDO (Vertical dimension of occlusion):  咬合高径

PVS (Polyvinyl siloxane) impression material:   付加重合型シリコーン印象材

RPD, VDO, PVS はアルファベットを一文字ずつ発音して会話のときに略語として使いますが、カルテの記載のときも使います。