Category Archives: 総義歯・パーシャル Complete denture/RPD

総義歯・部分床義歯が痛い “Denture/partial pain” “Sore spots with denture/partial”

患者さんの入れ歯が合わなくて痛いときや入れ歯がはずれやすい場合、英語で何と言うのでしょうか。

入れ歯、特に総義歯は “denture” と一般的に言いますが、部分床義歯の場合、”partial” と言います。

Patient:  “I have pain when I wear my denture/partial.”

患者さん: 「入れ歯をつけていると、痛いです。」

入れ歯を使うとか、入れ歯を入れると英語で言う場合、

“wear denture” と言います。

入れ歯をさも、装着する、着るみたいな表現をします。

Patient:  “My denture rubs on my gums, and it hurts.”

患者さん: 「入れ歯が粘膜・歯ぐきにあたって痛いです。」

こすられるという意味で “rub” という動詞を使います。

ドクターはそれに対して、「入れ歯がすれている箇所があるので、調整します。」と答える場合、

Doctor:  “You have sore spots on your gums.  Let me adjust it (denture/partial) for you.”

“Sore spots” は、すれた箇所とか褥瘡性潰瘍ができてしまったところのことです。

患者さんが “sore spots” と使う場合もあります。

さて、患者さんが 「入れ歯がゆるくて、落ちてきます(はずれやすいです)。」と言った場合、このような表現をします。

Patient:  “My denture is loose.”

とか、部分床義歯の場合,

Patient:  “My partial is loose.”  と言います。

ドクターの答え方の一例として、こんな言い方ができます:

Doctor:  “Your denture is fitting poorly.  Over time, your gum and bone shrink so your denture/partial gets loose.  I am going to put a reline material to fit the denture to the contours of your gums.  You may need to make a new denture soon.”

ドクター: 「入れ歯があっていませんね。時間が経つと、歯ぐきや骨がやせていくので、入れ歯は合わなくなります。今回はリライン材(裏装材)という材料を入れて入れ歯と歯ぐきの間を埋めますが、そろそろ新しい入れ歯を作った方がいいですね。」

注意: もちろん色々な言い方がありますが、これは一例にすぎません。

ちなみに、市販の入れ歯安定剤は “denture adhesive” と言います。 絆創膏をBand-Aid™ と言うみたいに(商品名が定着しているように)、入れ歯安定剤はPoligrip™ ポリグリップと言った方が通じるかもしれません。

「お口の中をチェックします。」”Let me do an overall check-up.”

患者さんにご挨拶し、「今日はどうされましたか?」と聞き、「それでは、いすを倒します。」までは今までのブログでご紹介しました。

そこから「お口の中をチェックします。」と言いたい場合、何と言えばいいのでしょうか。一連の流れをおさらいも兼ねて、見ていきましょう。

Doctor:  “Hello I’m Dr. ______________.”  (shake hands with patient)   “What brings you here today?”    OR       “How can I help you today?”

Patient:  ~~~~~ と症状を説明

Doctor:  “Let me put your seat back.  Let me do an overall check-up.  Open, please.”

という感じです。

ドクターが「お口をあけて下さい。」という時は、 命令形の “open” という言い方になりますが、感情表現をやさしくすれば、命令口調にはなりません。

「お口全体をチェックします。」という言い方は

“Let me do an overall check-up.”  になります。

もしも、 1本ないし2、3本の歯をチェックしたい場合は、

“Let me check your tooth that is bothering you.”

「痛みがある歯をチェックさせて下さい。」という訳になります。

とか、簡単に、

“Let me check your tooth.”

でいいと思います。

Adjust occlusion 咬合調整をする

日本の知り合いの先生から以前、質問を受けたことがあります。

「咬合調整をするとき、“咬んで下さい”と外国人の患者さんに言うと、どんな人でもカチッと1回しか咬まないのですが、そういう時は何と言えばいいのですか。」

どうやら、その先生はその外国人の患者さんに、

“Bite” の一言しか、言っていなかったようです。

“Bite” だけでは1回ガチッと咬むだけで、咬合紙を離さない状態になってしまいます。

ドクター: 「カチカチ咬んで下さい。」は、

Doctor:  “Tap, tap, tap.”

と言います。 タップダンスの「タップ」という発音です。

どうしても “bite” という言葉を使いたければ、

Doctor:  “Bite several times.”

でいいと思います。

でも、それだけでは中心咬合位で咬むことになるので、側方運動をしてほしいときは、

Doctor:  “Bite side to side.”

または

Doctor:  “Grind your teeth.”  (「歯ぎしりして下さい。」)

と言います。

また、動作を連想させたい場合、例えば、「ガムを噛むみたいにこの紙を咬んで下さい。」みたいなことを言いたければ、

Doctor:  “Chew this paper like you are chewing a gum.”

と言います。

ドクターが「咬み合わせは高いですか。」 と聞きたいときは、

Doctor:  “Is your bite high?”

でいいと思います。

たまに、「咬み合わせは高い」ってどういう意味ですかと患者さんに聞かれます。

Patient:  “What do you mean by my bite is high?”

Doctor:  “Does the tooth we worked on touch first or harder than other teeth?”

患者さん: 「咬み合わせは高い」ってどういう意味ですか。

ドクター: 「治療した歯が先にあたるとか、他の歯と比べた当たり方が強いということです。」

歯科で使われる英語の略語(1) Abbreviations used in dentistry part 1

メディカルでもそうですが、歯科でも、医療従事者同士で話すときやカルテに記載するときに、略後 (abbreviations) をよく使います。たくさんあるので、器具の名前と同様、少しずつお教えしたいと思います。

*まずは、カルテによく記載するものとして、

CC (Chief complaint):    主訴

PMH (Past medical history):   病歴

RMH (Review medical history):  病歴・既往歴のチェック

PE (Periodic exam):  定期診査

Dx (Diagnosis):  診断

Sx (Surgery):   外科治療 又はメディカルでは “signs & symptoms” (兆候と症状)とも言います

Tx (Treatment):  治療

PO (Post-op) check:  術後経過

NV (Next visit):  次回の治療予定

上記は会話中は略語を使いませんので、会話では chief complaint や past medical history 等と普通に言います。PO checkのみ、会話中「ピーオーチェック」と発音します。

**歯科治療や治療計画中に使われるものとして、

RPD (Removable partial denture):  可撤式部分床義歯 (パーシャル)

VDO (Vertical dimension of occlusion):  咬合高径

PVS (Polyvinyl siloxane) impression material:   付加重合型シリコーン印象材

RPD, VDO, PVS はアルファベットを一文字ずつ発音して会話のときに略語として使いますが、カルテの記載のときも使います。

レントゲン・X線写真の種類の説明  Explaining types of x-rays/radiographs

レントゲン・X線写真の種類は色々ありますが、今日は デンタル、パントモ、そして16 又は 18枚法についての言い方の説明です。 今日は少し長いです。

1.  デンタル:  Periapical x-ray    もしくは   PA  (「ピーエー」とそのままアルファベットを    読むように発音します)

E.g.  (「例」と書くときもexampleという意味から “Ex”と書いてしまいがちですが、正確には E.g. です。E とg の後のピリオドも忘れずに!)

アシスタントの方にデンタル1枚をお願いする場合:

Doctor:  “Can you take 1 PA on #_______ (tooth number)?”

ドクター: 「(歯の番号) のデンタルを1枚撮って下さい。」

注意 1:  患者さんに説明する意味で “dental x-ray” は言ったりしますが、歯科医療従事者同士ではデンタルのことは PA 又は periapical x-ray です。

2.  パントモ:  Panoramic x-ray   もしくは  pano  (「パノ」と 読みます)

E.g.    Doctor:  “Can you take a pano for ____________ (name)?”

ドクター: 「­­­­­­〜〜さんのパントモを撮って下さい。」

3.  16枚法 もしくは 18枚法: Full mouth x-rays  もしくは  FMX (略して)

E.g.          患者さん(特に初診や初診から3年から5年経過した再診の患者さん)に16もしくは18枚法のレントゲン撮影の許可をもらう場合、

Doctor or assistant speaking to patient:

“Because this is your first visit to our office, we recommend you to take a full-mouth x-ray.  Is this okay?”

ドクターまたはアシスタントが患者さんに向かって言う(訳):

「本日は初診ということで、お口全体のレントゲン写真(X線写真)をお撮りしたいのですが、よろしいですか。」

再診の場合

Doctor or assistant:

“It’s been about 3 or 5 years  since we took your last full mouth x-rays.  It’s time to update them.  Is this okay?”

ドクターまたはアシスタント(訳):

「最初に撮らせて頂いたお口全体のレントゲン写真(X線写真)は3年から5年に一度、最新のものにアップデートすることをお勧めしていますので、お撮りしたいのですが、よろしいですか。」

注意 2:    英語でレントゲン写真と表現するときは、「レントゲン」という言葉は一切使いません。

注意 3:      レントゲン写真を「X線画像」という意味で歯科医療従事者が話す場合、radiograph(s) や image と言います。アメリカの歯学部で、「このX線写真では...」と教授やインストラクターの先生に話すとき、 ”This x-ray shows…”  と言って注意された記憶があります。 “This radiograph shows…”   とか “You can observe ~~ in this radiograph(s)/image.” と言わないといけないのです。