タイトルでもお気付きかもしれませんが、「麻酔をする」という表現は、
専門的には、 give/administer anesthetics
患者さんにわかりやすい表現として、 make you (patient) numb
と言います。
Numb とは、麻痺させるという意味です。
発音としては、”b” は発音しません。親指を表す thumb を思い出して下さい。
E.g. Doctor: “I am going to make you numb now.”
ドクター: 「それでは麻酔をします。」
アメリカでは必ず表面麻酔のジェル (topical anesthetics, 略して topical )を塗布してから浸麻もしくは伝麻をするので、順序的にはこちらを先に言います。
E.g. Doctor: “I am going to put some topical first to make it a little more comfortable for you.”
ドクター: 「もう少し楽になりますから、先に表面麻酔を塗ります。」
このとき、euphemism と言って、患者さんに針だとか注射というイメージを与えないように、できるだけ優しく、オブラートに包んだ表現をします。
さて、浸潤麻酔は、 正式にlocal anesthetics と言いますが、ドクター同士のコミュニケーションでは、 “local” で十分です。
伝達麻酔は block anesthetics です。例えば、下顎孔伝達麻酔は mandibular block ですし、後上歯槽糸ブロックは略してPSA blockと言います。
Doctor to doctor: “I gave a local/mandibular block/PSA block to Mr. ~~ .”
ドクター同士の会話: 「〜〜さんに浸麻(XXXXブロック)をしました。」
麻酔の種類とその言い方にはまだ他にありますので、またの機会にご紹介します。
アメリカでは、患者さんがデンタルの麻酔のことを “novocaine” と表現したりします。Novocaine は商品名で、昔はアメリカで使われていましたが、今は使われていません。なのに、患者さんは若い方でも “novocaine” と言ったりします。薬品名で言うと、プロカインprocaineのことです。
これは言ってみれば、絆創膏のことをBand-Aid™ という商品名が普通に使われたり、日本での例として瞬間接着剤のことを「アロンアルファ」と皆、呼んでしまうのと一緒です。ですから患者さんにこう言われたりもします。
Patient: “Are you going to give me some novocaine?”
患者さん: 「先生、麻酔をするのですか。」
とか、
Patient: “Wow, I am really numb. When will this novocaine wear off?”
患者さん: 「まだすごく麻酔が効いています。いつ麻酔は切れますか。」